未来のために、今できることをテーマにお届けする「ADVANCE EARTH」。
今日はインドから、あるエンジニアの作った、カカオ農家を救う仕組みをご紹介しました。
開発途上国で、実に1,400万人もの人たちによって支えられているカカオ豆の生産。
けれども、加工や流通に関わる中間業者の手数料を加え、消費者が手に取りやすい価格でチョコレートを販売すると、そのしわ寄せはすべて生産者に向かってしまうといいます。
さらに、受け取る賃金の低さから、貧困や児童労働などの社会問題が発生しているのが現状です。
「少ない収入で、ずっと途上国の農家が苦しむ産業は本当に持続可能なのだろうか?」
インド出身のエンジニア、アカシュ・マシューさんは、こうした状況をずっと疑問に思っていました。
マシューさんによれば、通常、カカオ農家が受け取る利益は、チョコレートの流通全体の、わずか6.6%に過ぎないのだとか。
そこで、利益の80%を、生産者であるカカオ農家に還元する「Right Origins財団」を設立しました。
もともとソウトウェア開発会社の社長であるアカシュさんは、本業の技術を生かして、中間業者を挟むことなく農家と消費者をつなげたのです。
例えば、チョコレートバーのパッケージに記載したQRコードで、農家の顔や生産過程が見えるようにしました。
これ自体は新しいことではありませんが、生産から出荷まで、徹底した透明性にこだわることで、信頼度を高め、農家自身がチョコレートのブランドオーナーになり、より多くの利益が還元されることを目指します。
マシューさんの故郷、インドの農家で展開が始まっていますが、今後世界中のスタンダードになるといいですね。