未来のために、今できることをテーマにお届けする「ADVANCE EARTH」。
今日は、アメリカの大学が行った、食べ残しを減らすための取り組みを紹介しました。
もうお馴染みの言葉となった「食品ロス」。
様々な施策が功を奏して、農林水産省と環境省による調査でも、
2019年度は推計をはじめた2012年以降で最も少なくなっています。
とはいえ、『いつも食事を「ちょっとだけ残してしまう」』、の
その「ちょっと」を無くせないだろうか。
そう考えたのは、農業消費者経済学を教えるブレナ・エリソン准教授。
自身が勤めるイリノイ大学で、学食にある工夫を施しました。
それは、学食で使う食器を、表面積の小さなものに変更したこと。
同じメニューを提供する、大学内の2つの食堂で、
片方には丸いお皿、もう一方には少し小さい楕円形の食器を設置しました。
利用者は料理を自分たちでお皿にのせるのですが、
丸皿では15.8%だった食べ残しの廃棄量が、
楕円のものでは11.8%に減少したのです。
1皿あたりの食べ残しは、マイナスおよそ20g。
20gと聞くとわずかに感じますが、
たくさんの食事を提供する学食にとっては大きな差につながります。
この結果を受け、IT業界世界最大手のGoogleもこの施策を導入し、
社員食堂で使う皿を、2.5cm小さい深さの皿にしたところ、
食べ残しを7割減らせたと発表しています。
「料理を残さないで」と呼びかけるのではなく、食器を変えるだけ。
無意識に食べ残しがなくなる、見事な方法です。