大小合わせて7641の島々で構成される国、フィリピン。
美しいビーチリゾートが観光客に人気ですが、
その一方、人々の暮らすエリアでは
適切なゴミ処理ができる設備が追い付ついていません。
そんな中、
住民総出でゴミ問題に挑んだのが、南部にある島、アポ島。
人口およそ1,000人、238世帯の小さな島は、
2021年9月、国際環境NGOネットワークの
「Global Alliance for Incinerator Alternatives」によって、
フィリピンで初めて、ゼロ・ウェイストの島になったと発表されたのです。
ゼロ・ウェイストとは、ゴミをゼロにすることを目標に、
可能な限り廃棄物を減らそうとする活動を指します。
陣頭指揮を執ったのは、2018年に村長に選出されたMario Pascobelloさん。
まずはゴミの分別に関する条例を制定し、
資源ゴミの回収場所や、コンポストエリアを設置。
ゴミの回収には専任の収集スタッフも任命しました。
その結果、落ち葉はたい肥にして活用する、
ペットボトルはリサイクルできるように洗って出す、といった具合に、
適切なゴミ出し行動が島全体に広がったのです。
「最も重要なのは、住民への教育だった」と語るMarioさん。
分別の意義と重要性を粘り強く伝えていったことが、
ゼロ・ウェイストにつながったのですね。