映画『侍タイムスリッパー』が、『第44回藤本真澄賞』の藤本真澄賞・奨励賞を受賞し、16日に行われた授賞式に安田淳一監督が登壇した。
【集合ショット】藤本真澄賞を受賞!ブラック衣装で登場した塚原あゆ子氏ら
安田監督は「このような賞をいただきまして、とても喜んでおります」とあいさつするも、「不勉強で、藤本賞ってあるんですか?みたいなリアクションだったんですけど、あとで調べてみると、とても名誉な賞だということがわかって、ちょっと身が引き締まる思いでした」と吐露。
続けて「僕のラッキーパンチが、多大なることになってしまって、クリエイターとしての賞とか、主演男優賞も含めた周りの皆さんの賞もすごくうれしいんですけども、やはりこの藤本賞というのはビジネスマンとしての側面を評価していただいてということで、映画を作るのも大変だったんですけれども、『カメラを止めるな』のようにプロモーションして、人を導くというふうなことを自分で目論んでやって、そのことを評価していただいたとすれば、この上ない幸せです」と胸を張った。
また、制作費は2600万円かかったとし、「借金はないです。自分の預貯金と車を売ったお金、文化庁の補助金を全部注ぎ込みました。貯金が最後6000円になって、ギリギリ支払いが終わりました」と明かし、会場を驚かせていた。
受賞理由について主催は「自らが愛して止まない『時代劇』を作りたいという情
一つの脚本に結集し、そこに魅せられたプロ集団を寄せ、1本の自主製作時代劇を完成させるに至った。たった1館から始まった興行は、観客の圧倒的な支持を得て300館以上で拡大公開される快挙を成し遂げた。この様な現象は近年の映画界に見られない胸のすく事件である。数多ある時代劇映画に新風を吹き込んだ、その功績に対して贈ります」としている。
「藤本真澄賞」は、故・藤本真澄は生涯に渡って269本の映画を製作し、「社長」シリーズ、「若大将」シリーズなどの娯楽性に溢れた映画を製作する一方、成瀬巳喜男監督と組んだ文芸映画など、幅広いジャンルの映画を世に送り出し、永年日本映画の製作に対して多大なる貢献、実績を残した。その藤本氏の業績を記念するとともに、故人の念願であった日本映画産業の向上発展の一助となすべく、毎年、全国の劇場公開用として製作、一般に公開された映画の中で特に観客の多大な支持を受け、優れたエンターテイメント性を持った映画の製作者等を中心に表彰するもの。
■『第44回藤本真澄賞』受賞者
・藤本真澄賞:映画『ラストマイル』
新井順子氏(株式会社TBSスパークル)、野木亜紀子氏(脚本家)、塚原あゆ子氏(株式会社TBSスパークル)
・藤本真澄賞・特別賞:映画『ルックバック』
押山清高氏(株式会社ドリアン)、大山良氏(株式会社エイベックス・アニメーションレーベルズ)
・藤本真澄賞・奨励賞:映画『侍タイムスリッパー』
安田淳一氏(未来映画社)